現存する商家としては最古に部類される。

菊屋家住宅

菊屋家住宅

菊屋家住宅出口


菊屋家は慶長9年(1604年)に毛利輝元が萩に入国する際、それに従って山口から萩へ移り、城下の街造りに尽力しました。藩の御用商人と務めた豪商。具体的には年貢米を相場が高いときに上方(大阪など)へ売り、その手数料で儲けていた。今でいうところの商社のようなものです。

屋敷は江戸時代の初期に建築され、約400年の歴史があります。主屋・本蔵・金蔵・釜場・米蔵の5棟が国の重要文化財の指定を受けており、中には美術品や古書など、約500点が展示されています。入場料は萩の観光地の中では高い方ですが、屋敷が広いので見応えは十分。殿を見下ろしてはいけないという理由で2階は作ってはいません。

出口付近はなまこ壁が続き、まさしく城下町に来たという感動を味わえる。平日でも多くのカメラマンと観光客が歩いており、人が写らないように撮影するのが難しい。また正面入口は萩のメインストリートでもあり、車や自転車の往来がある。しかし喫茶店や萩焼のお店も並んでいるので、この一帯だけでも楽しめる観光エリアとなってます。

2000坪の敷地の約3分の1が公開されてます。

菊屋家住宅御成門


菊屋家に入ると、まず目に入る御成門。長屋門から入った上位伝達のために派遣される使者(御上使)は、この門を経て書院に通られました。残念ながらこの門をくぐることはできませんが、中庭の様子をうかがうことはできます。

幕府の使いや藩の役宅に使われた書院の間。

菊屋家住宅書院の間

菊屋家住宅駕籠置石

菊屋家住宅長手水鉢


書院の間から見える風景。おそらく菊屋家住宅で1番の見どころだと思います。書院の間は客を迎え入れる部屋で、今でいうVIPルームみたいなところ。殿や巡見使が政治・金融関係を話し合ったり、財政で裏金がないか良否を見極める場でもありました。つまり幕使の応接間というわけです。ただ菊屋家は食事などの対応はしたかも知れませんが、基本的に部屋を貸していただけらしいです。

そして庭に大きな石が置いてありますが(写真真ん中)これは駕籠置石(かごおきいし)と言いまして、御上使等はこの石に駕籠を置いて、縁側から入室したと言われています。庭には入れませんので実際に触れることはできません。

もう1つ書院の間に目立つのが、花崗岩の自然石でできた長手水鉢(ながちょうずばち)と呼ばれる、簡単に説明すると手洗いです。(写真下)着物が濡れないようにこのような長い鉢を用意しているようです。

こちらも幕府からの使者を応接した間。

菊屋家住宅座敷


ここは主屋座敷と呼ばれる殿の控え室のような場所。当時は洗濯する回数も少ないので、お香を焚く用具もイメージして置いてあります。

菊屋家の事務所を再現した「みせ」。

菊屋家住宅事務所


ここは菊屋家の事務所のようなところ。実際のものが残っているわけではなく再現したようです。御成道(貴人がお成りのときに通る道)にそって細長く部屋を造っています。

伊藤博文が初洋行したときのアメリカ土産。

菊屋家住宅柱時計


柱時計は伊藤博文(吉田松陰門下・首相)の初洋行したときのアメリカ土産。米国コネチカット州セット・トーマス仕製。週に1度ゼンマイを巻けば動く。現役である。

撮影禁止の展示品もございます。

菊屋家住宅の撮影禁止エリア

菊屋家住宅の撮影禁止エリア


ケースに当時の煙草入れや、短刀など民具・古書・美術品が500点ほど展示されています。

基本情報

場所山口県萩市呉服町1-1
菊屋家を目印として向かうよりは萩博物館の方が分かりやすい。萩博物館に車を停めて歩いて行くことになりますので、ナビもここにセットした方がいいでしょう。
交通アクセス①萩博物館前バス停から徒歩7分
バリアフリー不明
観光客の多さ平日は100人前後で週末は200人前後。連休の多いときで500人前後の観光客が訪れる。また秋は500坪の奥庭が公開されるので、やや多めになるそうです。
観光の所要時間20分前後
料金大人620円
中・高校生300円
小学生200円
営業時間10:00~17:00(入館は16:45まで)
休館日12/31 (1/1は10:00より開館)
駐車場5台(無料)
または萩博物館の駐車場(有料)
周辺施設トイレ、飲食店、お土産
周辺の観光地旧久保田家住宅(徒歩で約1分)
高杉晋作誕生地(徒歩で約2分)
木戸孝允旧宅(徒歩で約2分)
青木周弼旧宅(徒歩で約3分)
周辺スポット広雲寺(桜/4月)
菊ヶ浜(花火大会/7月)
他のおすすめ季節11月(紅葉)
管理人から菊屋家住宅には撮影NGの箇所があるので全ての情報を掲載できないのが残念。たださすがに入館料がかかるだけあって見応えはある。ガイドさんも常駐しているので菊屋家の歴史を勉強できます。

ここは萩の城下町エリアでもメイン観光地となりますので、興味のある方はぜひ寄っていただきたい。

しかし歴史が好きな人にはオススメできても、それ以外の方は外観だけ見れば十分かも知れません。中も昔ながらの造りでそれなりに楽しめますけど、大きな感動はないと思います。

地図